コロナ流行時の接客「近づかない」

コロナ禍

今はほぼコロナ前と変わらない接客(マスク着用以外は)を百貨店などで行っていますが、コロナが流行りだした時は「近づくと感染する」という認識があり、それにたいしての対策を色々行っていました。その時のことを振り返ってみたいと思います。

コロナ禍の接客色々

コロナ流行の中、百貨店をはじめ色んな路面店、ショッピングモールなどでお客様を呼び込むために色んな工夫を行っていました。
テレビでも一時期話題になっていたのは接客としては「オンライン購入相談」。百貨店のホームページ内で作られた「模擬百貨店」のような空間で、ログインした来店者はオンラインでつながった百貨店担当者と購入希望の商品について質疑応答をし、まるで「店舗に買いに来ている」状況を作り購入に繋げるというやり方をテレビで紹介して「へえ~」と興味深く見ていたのを思い出します。
それ以外に私がコロナ禍の際に勤務していた百貨店で取り組んでいた「コロナ禍での接客」といくつかあげてみます。

1メートル離れての接客

「1メートル」って、どのように感じますか?
接客をしてお客様とお話をしているとこの距離は「遠い」と感じるのですが、これは咳をして菌などが飛ぶ距離がその距離だそうで、当時「感染防止の為に離れて接客してください」と施設の方から言われた時期がありました。ただどうなるかというと、離れての接客は「声が聞こえづらい」「目が合わせにくい」などのデメリットが生じます。
そこで考えられたのが「ビニル幕」。お客様に声掛けをする可能性の高いレジ前にあり、これを隔てて透明な壁を作って菌の飛沫を防ぐ。というものです。幕の下から菌がのぼってくるやないかい!と突っ込みいれたくなりますが、お客様の不必要な接近を防ぐ(たまに「これはどうなってるの!?」と急に近づいてくる方も多い)ことに一役買っています。ビニル幕は、5月7日以降に日本のコロナが「5類感染症」に移行し、百貨店では徐々に取り外されてきています。

おつりの渡し方

商品を購入時百貨店ではレジが離れた所にあったりするため、おつりを「カルトン」と呼ばれる平たいお金入れに置いて運び、おつりをお渡しする方法があります。
この「カルトン」がコロナ禍では大活躍で、おつりを並べて(置いて)お客様に釣銭額を提示すると共に、お客様に手で直接「お渡し」をすることなく取っていただいて金銭授受を行う、という方法がほとんどの百貨店、スーパーや他小売店で行われていました。それまで直接手渡しが「丁寧で良い」という印象でしたが、それを接触により「感染につながる」と結びつけたために上記の方法が積極的に取られていました。ただ、一部の販売員や店舗ではパッと手渡しの方が小銭を少しずつカルトンから取っていただく手間が省けるので、ゴム手袋をして直接お客様にお渡ししたりと色んな工夫が見られました。

試食禁止

それまでは食品などを購入いただく前に味見をしたりして購入することも多かったですが、この「試食」が販売員とお客様が接触しやすく、口に運んだ容器やつまようじから「感染するのではないか」というところから試食をする、試食をお勧めする機会がほとんどなくなりました。最近はお客様に手指の消毒を行っていただいた上でラップなどでかぶせて「菌を寄せ付けないように?」した商品をお客様が食べる直前にラップをパッとはずし、食べていただく場面はちょくちょく目にすることが多くなってきています。
この試食禁止は一部店舗にとっては苦痛でした。私は当時和菓子を販売していましたが、「スナック感覚の和菓子」として色んな味のものがあり、中には「食べてみないと味の想像がつかないもの」などがあったため、その味を試していただくことで購入につなげていました。コロナ禍になり、試食禁止になって口頭でその味のいいところなどをお客様にお伝えするのですが、中々伝わりづらいこともあり、「実際に試していただく」ことの大事さを実感しました。
お陰で「どうやってお客様にこの商品のよいところを伝えられるか」という訓練にはなりました。

オンラインストアの注文増

これまでオンラインでの対面接客、現場での一定の距離を保った接客と工夫をしていかに接客をしていたかを述べましたが、本当に「人と会わなくてもいい」と思う人は結局対面しない「直接オンラインストアで購入」を選んでいることが多かったです。対面がないうえにサイトによってはポイントがついたり、一定の金額で無料配送などのサービスがあり、店舗で商品を直接確かめるのと同等の質の良い「写真」や「商品案内」により家族や知り合い、私もそうですが、多少時間がかかっても大丈夫なものは「オンライン」で購入する機会が増えたという話を良く聞きました。

コロナ化がほぼ落ち着いた今、ビニル幕も外されてお客様に近づいても拒絶されず、おつりの手渡しも普通にあり(たまに直接受け取りたくない、という人はいます)試食も再開となり(個別の容器に入れてのお渡しが基本になりました)、「コロナは人々の生活の中に溶け込んだんだな」と沢山の人が行きかう駅や施設の中でふと感じたりします。以前と変わらないやりとりが嬉しくもあり、「大丈夫かな?」と少し不安に感じるのが「私もちょっと神経質な日本人なんだな」と思う所でもあります。

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